駅からあるき by DJ Kei
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鈴鹿県境尾根全縦走

鈴鹿山脈と県境ルート縦走

三重県・滋賀県・岐阜県にまたがり,南北にそびえる鈴鹿山脈.日本にある多くの山脈が日本海側と太平洋側をわけるように存在するのに対して,鈴鹿山脈は,少し大げさに言えば日本海と太平洋をつなぐように山脈がつながっています.そのため,気候的にも日本海側と太平洋側の両面を有し,また地質も多様であることから,多くの種類の花や植物に恵まれた山域です.
そんな鈴鹿山脈を好んで歩く愛好家たちは,東海地方や関西地方を中心に数多くいます.鈴鹿のすべての山域を対象にする人もいれば,その中の特定の山域を好んで歩く人もいます.尾根を中心に歩く人もいれば谷を中心とする人も.一般登山道を中心に歩く人もいれば藪を好む人もいます.花を観察する人,樹林に惹かれる人,水の流れに心落ちつかせる人,など楽しみ方もいろいろです.その中で,鈴鹿山脈の南北に連なる長大な尾根そのものに魅力を感じる人たちは大勢います.伊勢平野や近江盆地あたりから見られるその姿はスケールの大きさを十分感じさせてくれます.そんな鈴鹿の主脈は三重・滋賀・岐阜県境にあたることから,この県境尾根を踏破することは鈴鹿登山の大きな魅力の一つとなっていて,鈴鹿を歩く人の中で踏破を目指す人たちは結構いるのです.
鈴鹿の県境尾根ルートはこのように大きな魅力を持った縦走ルートであり,今回私はそのすべてに足を踏み入れたこととなりました.

鈴鹿山脈県境ルートの概要

三重・滋賀・岐阜の3県にまたがる鈴鹿山脈.したがって県境としては,三重/滋賀県境,滋賀/岐阜県境および三重/岐阜県境の3つが存在します.

三重/滋賀県境

南は伊賀市と甲賀市の間にある油日岳から始まり,鈴鹿峠,安楽越,仙ヶ岳,水沢峠,御在所山,釈迦ヶ岳,竜ヶ岳,藤原岳,御池岳,鞍掛峠を経て三国岳まで.なお,厳密には,御池岳は県境上にはなく滋賀県の山ですが,県境縦走路は御池岳のすぐ下の一般道としました.また御在所山から国見峠までは,県境上にスキー場があり,通行が制限されているので,県境上からはずれた一般道を通りました.他にも厳密に言えば一般ルートの中には県境から若干はずれているところもあります.

滋賀/岐阜県境

南は三国岳からはじまり,五僧を経て谷山を通り柏原道一合目までを県境ルートとしました.本当はこの先にも,観音峠を経て,関ヶ原の長久寺まで県境に低い尾根が続いていますが,住宅の裏山のようなところであるから省きました.一般的にもこの柏原道一合目,あるいは谷山までがルートであるとされることが多いようです.

三重/岐阜県境

西は三国岳からはじまり,烏帽子岳を経て拘留孫岳までを県境ルートとしました.

私のルート踏破まで

2003年10月が最初に鈴鹿に足を踏み入れた日である.鈴鹿を歩き始めたときはもちろん踏破などということは全く考えていなかった.しかし鈴鹿を目一杯歩いてみたいという考えから,まず鈴鹿のセブンマウンテンをつなぐことからスタートした.入道ヶ岳から出発し鎌ヶ岳,雨乞岳,御在所山,釈迦ヶ岳,竜ヶ岳,藤原岳を,順不同でつないでいった.2004年3月から5月にかけて,何回かに分けてこれをつないだのであるが,入道ヶ岳と雨乞岳を除く5山は県境上にあることから,7山をつなぐだけでも県境ルートの3分の1ぐらいを歩いたことになった.
7山をつなぐ前にも,南鈴鹿の県境ルートは結構歩いていたから,2004年10月に北鈴鹿を歩き,2004年11月に南鈴鹿のうち未踏区間を歩いた時点で,鞍掛峠から南側の県境ルートをすべて歩いたことになっていた.特に県境ルート踏破という意識はなかったが,知らず知らずのうちにこれだけ歩いていたのだった.
残りの区間は,まあそのうちに歩く機会があるさ,というぐらいの意識だったから,2年半ほどのブランクが生じたが,今年になって,ふと思いついたのが県境ルート完踏であった.4月に三重/岐阜県境を一気に踏破し,ついで5月に鞍掛峠から五僧までの区間を踏破した.残るは谷山から五僧のみとなっていた(柏原道一合目から谷山までは,過去に霊仙山登山の時にすでに通っていた).そして満を持して11月,ついに谷山から五僧までを歩き通して,県境ルート踏破とあいなったのであった.数えてみたら,14回に分けて県境ルートを歩いたことになる.もちろん重複があるので,代表的なものを数えたら14回になるということであるが,その14回を南から順に紹介する.

三重/滋賀県境(南から)

写真は,他の時期に歩いたときに撮影した写真も含まれています.

2004.02.21 鈴鹿峠〜那須ヶ原山〜油日岳

往路アクセス:名古屋・亀山→(JR)→関→(三重交通)→伊勢坂下

復路アクセス:柘植→(急行かすが)→名古屋

歩行ルート:(伊勢坂下→)鈴鹿峠→高畑山→坂下峠→唐木山→那須ヶ原山→三国岳→油日岳(→三馬渓→柘植)

高畑山東のナイフエッジ高畑山東側のナイフエッジ(2005.03.20撮影)

JR関駅から三重交通伊勢坂下行のバス(2007.12.01から亀山市コミュニティバスとなった)に乗って,終点で下車.坂下集落周辺では猿をたくさん見かけた.ここから鈴鹿峠へは東海自然歩道を歩いていく.片山神社からは国道1号線をくぐって鈴鹿峠への広い道を進む.峠から,高畑山登山口の道標に従って,最初は植林の中の道を進んでいく.結構勾配は急なところも多く,途中笹の深い箇所もあるが,踏跡は比較的しっかりしている.ナイフエッジ(写真)を過ぎると,高畑山山頂.ここは素晴らしい展望が広がる山頂だ.ここからザレた急な下り傾斜を下っていき,坂下峠に着く.それにしても暑い.2月だというのに,ついにTシャツ1枚となる.坂下峠からは今度は急な上り傾斜となり,唐木キレットを巻いた後はしばらくアップダウンの道を延々と進む.那須ヶ原山は僅かに展望のある山で,どちらかといえば鬱蒼とした雰囲気のする山頂である.ここからはアップダウンが激しくなり,ザレたヤセ尾根が多く,わくわくしながらも神経を使いながらの歩きとなる.これでもかというぐらい同じようなヤセ尾根が現れ,いい加減うんざりしてきた頃に,やっと三国岳到着.ここから油日岳へはさらにアップダウンが激しくなり,足を運ぶのもきつくなってきた.少しまぎらわしい尾根もところどころに見られる.やっと油日岳に到着.展望は北西方向にあるのみで,見えるのはゴルフ場ばかりである.ここからは三馬渓経由で下山.三馬渓は倒木が多く荒れていたが,テープ印に従って進んでいくと,金属のハシゴが現れ,谷芯に降り立つことができた.あとは道に沿って進んでいくと,未舗装の林道に出た.林道を1時間ばかり歩いて,柘植駅に着いた頃には空が暗くなりかけていた.柘植からは,これまた今は亡き関西本線急行「かすが」に乗って名古屋に戻った.

2004.04.10 安楽越〜鈴鹿峠

往路アクセス:名古屋→(JR)→亀山→(三重交通)→石水渓

復路アクセス:伊勢坂下→(三重交通)→亀山→(JR)→名古屋

歩行ルート:(石水渓→)安楽越→霧ヶ岳→四方草山→三子山→鈴鹿峠(→伊勢坂下)

県境尾根からの眺め県境尾根からの眺め(山行当日に撮影)

亀山から三重交通のバス(現在は自主運行バス.日曜日運休)に乗り,石水渓で下車.ここから安楽越まで舗装道路を歩く.自転車で通過する人が多い.安楽越で,目立たずわかりにくい縦走路の入口から出発.正しくは入ってすぐに右に折れるのだが,これをまっすぐ行ってしまいさっそく道間違い.しかしその後は,深い笹に踏跡が埋もれながらもわかりにくい区間はあまりなく,順調に歩いていく.標高は低いがアップダウンの激しいルートを歩いていくと,大峠を通過.峠を通過してしばらくすると,両端の切れ落ちた脆い岩のキレットを通過する.足場はあるものの,とにかく踏み外したら終わりなので,慎重に通過する.ここを通過してすぐに休憩中の人を発見.このルートで人に出会うとは!さらに進んでいくと,3人ほどのグループとすれちがう.このリーダーらしき人から,この先の道の状態を教えてもらう.三子山手前の斜面が伐採されているので,伐採に沿って進めとの情報をいただく.霧ヶ岳への分岐から,東へ少し入って霧ヶ岳の山頂まで行き,昼食休憩.その後は,ヤセ尾根を延々と進み,四方草山の巻道を進んで山頂直前から尾根に上り,四方草山山頂へ.この日の最高点だが,さえない山頂だ.さらに進んで,伐採地の斜面を上ると三子山の最初のピークへ.ここからは久しぶりにわずかに展望が得られたので休憩する.三子山の3つのピークを順に過ぎると,東海自然歩道に出る.あとはこれを通って鈴鹿峠にいたり,ここから伊勢坂下まで歩いた.

2004.03.13 仙ヶ岳〜御所平〜安楽越

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→四日市→(三重交通)→山本

復路アクセス:池山西→(三重交通)→亀山→(JR)→名古屋

歩行ルート:(山本→大石橋→林道終点→仙ヶ谷分岐→仙鶏尾根→)仙ヶ岳→御所平→臼杵ヶ岳→安楽越(→池山西)

御所平御所平南部の笹原(2007.03.21撮影)

四日市からバスで山本へ.ここから小岐須渓谷へと進む.林道終点から仙ヶ谷へ入る.このルートは3ヶ月前に歩いたばかりで,油断していたのだろう.入ってすぐ,右に折れ流れを渡らなければならないところをまっすぐ進んでしまった(現在はその地点には横木がバリケードのように置かれているので正しいルートに進めるはず).そのあとも踏跡が続いていたので何の疑いもなく歩いていたのだが,歩く方向が南西を向いていて,どうやら道を間違えたことに気づく.やむなく元の地点に戻り,1時間のタイムロス.さらに正規ルートに戻ったのだが,今度は流れを高巻くところを流れに下りてしまい,その後流れに沿って進んだもののどうも様子がおかしいので,再び元に戻って40分ほどタイムロス.結局仙ヶ谷を小社峠へ上り詰めるルートをやめて,小岐須渓谷から仙鶏尾根へ進むルートを選択する.このルートは道がはっきりしている.途中鎖場がいくつかあるが,慎重に歩けば問題なく,最後に樹林の急斜面を上がると仙鶏尾根に到達.あとはアップダウンの激しい尾根をひたすら進んで,仙ヶ岳の山頂に到着した.この時点でスケジュールより1時間30分ほど遅れていたが,日暮れまでには山麓に戻れると判断し,予定通り進むことにする.仙ヶ岳の山頂の道標には「難路」と書かれた安楽越までの道を進むが,実際には難路というほどでもなく,歩きやすい道である.そして少々のアップダウンの後に展開されるのが,御所平の雄大な眺めである.このときの印象が強く,これ以降御所平へは毎年出かけるようになっている.御所平を過ぎた小太郎谷源流のカールの笹原も,鈴鹿では珍しい非常に印象深い光景である.御所平の雄大な眺めを見た後だと,このカールの笹原が小さく見えてしまうのが惜しい.この後は,ところどころにヤセ尾根が現れる尾根道を快調に歩いていき,臼杵ヶ岳に到着.あとは植林の目立つ尾根の踏跡をたどるだけなのだが,途中でまたまたルートをはずしてしまい,最後はとなりの谷へ下りて谷沿いに進んで,安楽越より西側の東海自然歩道に合流した.ここから戻るようにして歩き,かもしか高原を経て安楽越まで歩き,最後は舗装道路をハイスピードで歩いて池山西のバス停に到着できた.

2003.12.14 小社峠〜仙ヶ岳

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→四日市→(三重交通)→山本

復路アクセス:池山西→(三重交通)→亀山→(JR)→名古屋

歩行ルート:(山本→大石橋→仙ヶ谷→)小社峠→仙ヶ岳(→仙鶏尾根→野登山→坂本→池山西)

仙ヶ岳からの眺め仙ヶ岳から北方の県境尾根をのぞむ(2007.03.21撮影)

四日市から三重交通バスで山本へ行き,そこから小岐須渓谷を通って仙ヶ谷へ.仙ヶ谷のわかりやすい踏跡を進んでいく.ほとんどを流れに沿って進むが,最後には水流のない溝状のルートに沿った踏跡を歩いていき,峠手前のわずかな区間だけ急斜面な上りとなり,小社峠にあっけなく到着.ここから仙ヶ岳までは若干のアップダウンがあるもののこれといった難関もない.仙ヶ岳へ落ちる北側斜面には雪が残っている.仙ヶ岳からの展望はまずまずで,特に雨乞岳の冠雪した姿が印象的であった.ここから,アップダウンの激しい仙鶏尾根を通って野登山へ.野登山手前のアンテナ道では,犬を大勢引き連れた人がいる.放し飼いにしていたが,さっきまで遠くから猛烈に吠える声が聞こえていたから,たぶん猟犬ではないかと思う.野登山山頂はこれといった特徴のないところだったが,ここで昼食休憩をして,帰りは表参道を下って坂本の集落へと下山した.

2004.11.23 小社峠〜宮指路岳〜イワクラ尾根分岐

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→四日市→(三重交通)→山本

復路アクセス:椿大神社→(三重交通)→四日市→(近鉄)→名古屋

歩行ルート:(山本→大石橋→林道終点→仙ヶ谷→)小社峠→犬返しの険→宮指路岳→小岐須峠→県境尾根(→イワクラ尾根→入道ヶ岳→北尾根→椿大神社)

県境尾根の樹林小岐須峠〜イワクラ尾根分岐での県境尾根樹林(山行当日に撮影)

今回は日が短い季節の上に長丁場となるため,早めの出発.小岐須渓谷から仙ヶ谷に入り,前回(3月)に間違えた仙ヶ谷ルートを上る.普通に行けばわかりやすいルートなので,今回は間違えずに小社峠に到達.ここから,犬返しの険までは,ザレたヤセ尾根が続く.両側が切れ落ちた岩尾根を歩かなければならない部分もあり,緊張が続く.そして犬返しの険へ.ここは名前ほどではなく,意外と容易に通過.ここから斜面を上るとすぐに宮指路岳の山頂に到着した.ここで休憩後,小岐須峠へ下る道を見つけるのに少々手間取ったが,無事見つけて出発.小岐須峠までは急な下り傾斜であった.小岐須峠からは「難路」と書かれた尾根道を進む.木の枝が張りだし枯れ枝が転がっている薄い踏跡をたどる.ところどころ踏跡をはずしながらも,尾根筋をはずさずに進んでいく.この尾根上は樹林の雰囲気がよく,尾根は広くゆったりとしていて南鈴鹿らしくない.こんなところをのんびりと歩いてみたい.こんな雰囲気がしばらく続いた後,イワクラ尾根との分岐に到着した.イワクラ尾根へは急な下りの後,連続的なアップダウンが続き,しんどい.二重稜線のような部分を歩くところが少々わかりにくい.イワクラ尾根の最後の上りをこなすと,入道ヶ岳の奥宮ピークに到着.入道のピークを踏んだ後,北尾根を選択して椿大神社へ下山した.

2004.03.27 イワクラ尾根分岐〜鎌ヶ岳〜武平峠

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→四日市→(三重交通)→山本

復路アクセス:湯の山→(三重交通)→名古屋

歩行ルート:(山本→椿大神社→井戸谷道→入道ヶ岳→イワクラ尾根→)県境尾根→水沢峠→水沢岳→鎌尾根→岳峠→鎌ヶ岳→武平峠(→湯の山)

鎌ヶ岳鎌尾根から鎌ヶ岳を眺める(2005.05.14撮影)

セブンマウンテン分割縦走の第1弾.入道ヶ岳と鎌ヶ岳を結ぶルートを歩く.入道ヶ岳山頂までは井戸谷道を選択する.井戸谷道は最後の笹原の上りがクライマックス.入道ヶ岳のピークに立ち寄った後,奥宮からイワクラ尾根へと進む.イワクラ尾根は歩いているとところどころ切れ落ちた斜面の脇に出るのだが,概ね巻道がついているので安全に歩ける.なかなか標高が上がらないまま県境尾根が近づいてくるのがわかり,最後に少し長めの上り勾配を歩き通すと,県境尾根に出た.
県境尾根から少し歩いたところで風の弱い場所を見つけ,昼食休憩.その後下りとなり水沢峠に到着.狭い峠ならがも雰囲気の良い峠である.その後急な上りとなりザレやヤセ尾根などの難関をこなさなければならない.やっと水沢岳に到着.水沢岳の頂上付近は雰囲気の良い樹林が残されている.ここから下りとなり,一部に雪が凍って滑りやすいきのこ岩のザレ斜面を慎重に通過した.その後もザレた道が続くし,北側斜面に出ると雪が残っていて,しかもかちかちに凍っていたりして,非常に歩きにくかった.南側斜面には全く雪が残っていなかったのでよかったが,特に北側斜面は下り坂になるので,非常に慎重に下りた.この時期,誰にも出逢うことなく黙々と尾根を歩いていくと,鎌ヶ岳下の岳峠に到着.ここで久しぶりに人とすれ違う.親子連れのようだ.この人たちを見送った後,いよいよ鎌ヶ岳へと登りにかかる.山頂は誰もおらず,独り占め.鎌ヶ岳の山頂を独り占めできるなんて.3月でスカイラインが通っていないことや,14時ごろでやや時刻が遅かったこと,それとまだ雪が残っているためだろう.
さて,鎌ヶ岳山頂から鎖場を通って下山なのだが,鎖が雪に埋もれてしまい使えない.もちろん雪はかちかちに凍っていて非常に滑りやすい.かなりの恐怖感のため,ここを格好悪く4点(両手両足と尻のうち一つを浮かせる)確保で慎重に下りた.ここを通過すれば,あとは安全な武平峠までの道を軽快に下山,そして湯の山温泉までの道を一気に下った.

2003.11.02 鎌ヶ岳〜御在所山〜国見峠

往路アクセス:名古屋・四日市→(近鉄)→湯の山→(三重交通)→湯の山

復路アクセス:湯の山→(三重交通)→名古屋

歩行ルート:(湯の山→三ッ口谷→鎌ヶ岳→)武平峠→御在所岳(→裏道→湯の山)

鎌ヶ岳御在所山から見た鎌ヶ岳(2007.05.27撮影)

この日,鈴鹿登山はまだ3回目だった.1回目は御在所山,2回目は雨乞岳で,3回目はこの鎌ヶ岳である.今思えば何もかもが新しいことと感じながらの山歩きだったような気がする.湯の山から三ッ口谷入口まで歩き,ここから登山道へ入る.三ッ口谷は途中滝を見たことと,期待していた紅葉はあまりなかったことぐらいしか覚えていない.その後,「安全」と書かれていた尾根コースではなく,三ッ口谷の谷コースを選択.源頭のガレ場の上りに苦しみそして楽しみながらも県境尾根へはい上がった.その後は,鎌ヶ岳山頂直下の鎖場に緊張しながら登った.人出が非常に多かったのを覚えている.鎌ヶ岳からは,武平峠を越えて御在所山へ立ち寄り,紅葉が進んでいるのを確認してから裏道を通って下山した.

2004.05.02 国見峠〜釈迦ヶ岳〜八風峠

往路アクセス:名古屋・四日市→(近鉄)→湯の山→(三重交通)→湯の山→(御在所ロープウェー)→山上公園

復路アクセス:田光→(三重交通)→四日市→(近鉄)→名古屋

歩行ルート:山上公園→国見峠→国見岳→根の平峠→水晶岳→中峠→羽鳥峰峠→釈迦ヶ岳→八風中峠→八風峠(→林道入口→田光)

羽鳥峰峠にて羽鳥峰峠の尾根道(山行当日に撮影)

セブンマウンテン分割縦走の第4弾だった.御在所山へは時間的制約から例外的にロープウェーを使用する.全体的にガスが濃く風も結構あり,天候はよくなかったが,ともかく縦走開始.国見峠まで下るとガスが切れてきた.国見岳までは以前に行ったことのあるルートであり,見覚えのある光景を見ながら歩く.国見峠からは初めてとなる.どんなルートかと思っていたが,眺めがあまり得られない淡々とした下り坂が続く.縦走路は溝道となっていて,途中笹の結構深いところもあり,歩きやすいとは言えない.高度が下がるにつれてガスが晴れてくる.縦走路は西へ大きく曲がり,見える風景も変わってくる.最後に急な下りとなり根の平峠に到着.ここでは団体が休憩中であった.道標だけちらっと眺めてサッと通過.水晶岳で休憩とした.根の平峠から羽鳥峰峠までは人通りが少ないが,羽鳥峰峠では多くの人をみかけた.ここから釈迦ヶ岳まではすれ違う人が急激に増え,縦走路がはっきりとするようになる.釈迦ヶ岳へのメインルートとなっているためだろう.釈迦ヶ岳山頂には意外に早く到着.セブンマウンテンというわりにはこれといった特徴のない山頂であった.この山は麓から眺めると印象の強い山なのだが,山頂はごくふつうである.山頂からさらに北へ進む.赤坂谷源流部分の樹林の雰囲気がよかったことが印象として残っている.あとは時々ガスの立ちこめる中を,ザレの目立つ縦走路を黙々と進んでいく.八風中峠を過ぎて,いいよいよ八風峠に到着.ここで,数日前に歩いたばかりのセブンマウンテン第3弾のルートとつながった.この日の縦走はこれにて終了し,あとは八風キャンプ場までのはっきりした道を一気に下った.

2004.04.29 八風峠〜竜ヶ岳〜治田峠

往路アクセス:名古屋・四日市→(近鉄)→菰野→(タクシー)→八風キャンプ場

復路アクセス:伊勢治田→(三岐鉄道)→富田→(近鉄)→名古屋

歩行ルート:(八風キャンプ場→林道終点→)八風峠→三池岳→石榑峠→竜ヶ岳→静ヶ岳分岐→銚子岳分岐→治田峠(→広河原→新町→伊勢治田)

竜ヶ岳の笹尾根竜ヶ岳の笹尾根(山行当日に撮影)

セブンマウンテン分割縦走の第3弾.八風キャンプ場までは時間的制約から例外的にタクシーを使用する.八風キャンプ場から射撃場の横を通り,林道を上がっていくと登山道に出る.はっきりした道の登山道を上がっていき,八風中峠との分岐に出る.この分岐からはジグザグの道が続き,これを登っていくと八風峠に出た.広い峠で,一度テントを張って泊ってみたい気になる場所である.八風峠から笹の深い道をたどり,わずかで三池岳へ.さてここからは,石榑峠まで笹ヤブの道が続くらしい.そう聞いていたので覚悟を決めて北進する.確かに踏跡は比較的はっきりしていてわかるものの,笹で覆われていているので,笹をかき分けながらでないと前に進めない.こうして苦労して何とか進んでいくと,時折展望のよい場所があり気が休まる気分になる.右手には国道が見え,また石榑峠のアンテナがだんだん近づいてくるのがわかる.笹をこいでいき,峠の近くで尾根の左側を巻くような踏跡に入る.しかしどうも様子がおかしい.引き返してみると,途中で尾根に上がるテープ印があり,それを見落としていた.このような途中で尾根上に入らなければならない箇所が3箇所ぐらいあり,やっとアンテナの裏手に出た.国道421号線の石榑峠には多くのライダーが休憩していた.登山をする人たちが山頂で休憩をとることが多いように,峠越えライダーたちにとっての「山頂」は峠であり,ここで休憩する人が多いのだろう.さて私の縦走はまだまだ先まであり,ここから竜ヶ岳まで歩く.ここは竜ヶ岳への最短ルートだから,とても歩く人が多かった.竜ヶ岳は笹原が広がり,とても開放的な雰囲気である.ここでも少し休憩.竜ヶ岳を下山し始めると,なぜか犬がついてくる.あまり気分がよくないが,そのまま放っておくことにする.しばらくして裏道の分岐からついてこなくなった.さてここまで来れば,あとは治田峠まで行くだけなのだが,ここが結構な難儀区間.治田峠までは実はあまり覚えていないが,結構アップダウンの激しい道だった記憶はある.なので,静ヶ岳も銚子岳も立ち寄らずである(もちろん時間的制約の理由もあるが).治田峠直前の最後の激下りを慎重に歩いて,やっと峠に到着.峠から山麓へも結構遠く,青川峡の流れに出るまでのジグザグ道の長かったこと!青川峡に出てからは,滝の高巻き部分(日丘神社あたり)で間違えかけたが,何とか正しい道へ戻り,あとは流れに沿って下るのみである.林道まで出たときはほっとした.ここからも,大勢の人でにぎわう青川峡キャンプ場を横に見ながら歩き,新町からのバスはすでに出た後だったので,三岐鉄道の伊勢治田駅まで歩いた.長い長い歩きであった.

2004.05.08 治田峠〜藤原岳

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→富田→(三岐鉄道)→伊勢治田→(三重交通)→新町

復路アクセス:西藤原→(三岐鉄道)→富田→(近鉄)→名古屋

歩行ルート:(新町→青川峡→中尾地蔵→)治田峠→藤原岳展望丘(→避難小屋→大貝戸道→西藤原)

県境尾根藤原岳展望丘から南方の県境尾根をのぞむ(2004.11.13撮影)

セブンマウンテン分割縦走の第5弾.これにて完結である.新町バス停から青川峡キャンプ場の横を通り,青川峡を経て治田峠までは,10日前ほどに歩いたルートの逆進であるが,峠に向かうにつれて笹が増えてきた印象が強く残っている.あと一応ヒルに警戒しながら歩いていたが,この日はさわやかで空気が乾燥していたせいかヒルの姿は見られなかった.峠からはいよいよ縦走ルートに入る.このルートは過去に逆向きに歩いたことがあるからおおよその見当は付いている.ゆるいアップダウンはあるものの,孫太尾根分岐までは歩きやすい道が続く.時折展望も開ける.尾根分岐からは山腹のトラバース道となり,所々で崩落していて歩きにくくなる.さらにそれが終わると,若干トラバース気味の急な上り勾配となる.踏跡はもともと薄いが,さらに踏跡にバイケイソウの葉が成長してきていてわかりにくくなっている.テープ印を追いながらの歩きとなる.急な上りを1時間近く歩いて,やっと石灰の尾根上に出た.あとは藤原岳展望丘へ向かって歩くのみである.人の声のする方へ向かっていくと,展望丘にひょっこり出た.これにてセブンマウンテン分割縦走は完結である.展望丘には多くの人が休んでいた.私も休憩して,一人で完結の余韻に浸る.展望丘からは避難小屋の前を通り,大貝戸道を下って西藤原駅にたどり着いた.

2004.10.16 藤原岳〜御池岳〜鞍掛峠

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→富田→(三岐鉄道)→西藤原

復路アクセス:冷川→(三重交通)→阿下喜・西桑名/桑名→(近鉄)→名古屋

歩行ルート:(西藤原→大貝戸道→避難小屋→)藤原岳展望丘→避難小屋→天狗岩→白船峠→カタクリ峠→ボタンブチ→御池岳(丸山)→鈴北岳→鞍掛峠(→冷川)

カレンフェルト台地藤原岳のカレンフェルト台地(2007.03.04撮影)

西藤原から大貝戸道を通って避難小屋まで登る.ここまで珍しく人の気配が全く感じられない.避難小屋からいったん展望丘まで行き,大展望を楽しんだ後,避難小屋に戻るとやっと人に出会う.ここから縦走路に入り,御池岳を経て鞍掛峠までの縦走である.笹原の開放感あるルートを歩いて,天狗岩にたどり着く.ここからの展望も見事であった.さらに樹林の雰囲気の良い県境尾根を進み,送電鉄塔にたどり着いたところで休憩.ここは切り開かれていて特に北側への展望が良く,この日は空気が澄んでいてすでに雪をかぶっている白山の姿さえ見ることができた.鉄塔からわずかで白船峠に至り,さらに尾根を進んでいく.踏跡は割合はっきりしているしテープ印も多いが,人の姿をほとんど見かけない.カタクリ峠に到着して,多くの人を見かけるようになる.コグルミ谷から御池岳へ向かう人たちが多く通るからだろう.真の谷から御池丸山までは結構急な上りだったような気がする.最高点へ行く前に,ボタンブチへ立ち寄る.ここでも大展望を満喫する.その後,笹の広がる台地を歩き丸山へ行き,そのまま鈴北岳まで進む.鈴北岳南側の台地の広がりはすばらしく,ゆっくりと歩く.本当は長居をしたくなるような場所であった.鈴北岳で休憩後,鞍掛峠までは尾根上のわかりやすい道を進んでいき,峠からは国道に下りて冷川まで1時間ほどの舗装道下りである.冷川からのバスにはぎりぎり間に合った.

2007.05.03 鞍掛峠〜三国岳

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→近鉄富田→(三岐鉄道)→東藤原・東禅寺→(三重交通)→冷川

復路アクセス:彦根・米原→(JR)→名古屋

歩行ルート:(冷川→)鞍掛峠→焼尾山→三国岳(→ダイラの頭→東ヨコネ→五僧→保月→杉坂峠)

滋賀/岐阜県境の記録(すぐ下)を参照.

滋賀/岐阜県境(南から)

2007.05.03 三国岳〜五僧

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→近鉄富田→(三岐鉄道)→東藤原・東禅寺→(三重交通)→冷川

復路アクセス:彦根・米原→(JR)→名古屋

歩行ルート:(冷川→鞍掛峠→焼尾山→)三国岳→ダイラの頭→東ヨコネ→五僧(→保月→杉坂峠)

尾根上のシャクナゲ東ヨコネ〜五僧の尾根にて(山行当日に撮影)

鞍掛峠までは,2時間弱の国道歩き.足にこたえる.鞍掛峠〜三国岳は花が多くて展望が効く歩いていて楽しいルートだった.三国岳から阿蘇谷を下るルートをたどり,ルートが尾根と分かれて下り始めるところから踏跡のない尾根ルートに乗る.ダイラの頭から尾根が左に曲がり,以下ぼんやりしていると進む方向を間違えそうな難解なルートが続く.テープ印は当てにならず,読図が必要となるルートである.ただしいったん進むべき尾根に乗ってしまえば尾根筋そのものははっきりしているので安心して歩ける.尾根が分岐するところだけは要注意だ.さて,途中ダイラの頭から先はヤブっぽい道が続くが,ところどころから展望が開ける.花は少なかった.東ヨコネから五僧まではシャクナゲとイワカガミが多く咲くルートだった.五僧からは廃集落をめぐりながらの林道歩きとなった.

2007.11.03 柏原道一合目〜谷山〜五僧

往路アクセス:名古屋・大垣→(JR)→柏原

復路アクセス:大君ヶ畑→(湖国バス)→多賀大社前・高宮→(近江鉄道)→米原・名古屋→(JR)→鶴舞

歩行ルート:(柏原→)霊仙柏原道→谷山西尾根→谷山→ナガオ尾根→五僧(→権現谷林道→ツヅロ坂峠→大君ヶ畑)

ナガオ尾根ナガオ尾根をのぞむ(山行当日に撮影)

鈴鹿県境縦走ルートのうち,残っていた谷山-五僧を歩いた.これにて鈴鹿県境縦走ルートは一応踏破した.柏原駅から霊仙山の登山ルートを進み,途中から谷山西尾根に乗る.谷山からいよいよ長い長い尾根歩きに踏み入れる.尾根自体は快適に歩けるルートだが,時折薄いヤブに行く手を阻まれるがそれほどでもない.途中からは下草のない快適な歩きが展開され,展望も優れている.もっとも,歩いていて楽なコースではなかったし,楽な気持ちで挑むようなルートでないことは確かだ.しかし五僧に近い695ピーク〜656ピークへの歩き以外は比較的歩きやすいのではないかと思う.

三重/岐阜県境

2007.04.15 拘留孫岳〜烏帽子岳〜三国岳

往路アクセス:名古屋→(近鉄)→近鉄富田→(三岐鉄道)→東藤原・東禅寺→(三重交通)→篠立

復路アクセス:大君ヶ畑→(湖国バス)→名神多賀口→(名古屋観光日急)→名鉄BC

歩行ルート:(篠立→篠立林道→)拘留孫岳→烏帽子岳→三国岳(→鳴川林道→大君ヶ畑)

尾根上からの眺め烏帽子岳付近からソノド・霊仙方面の眺め(山行当日に撮影)

鈴鹿の県境尾根を久しぶりにたどりたくて,未踏の県境尾根である本ルートを歩くことに.もっと険しい道を想像していたが,時折やせた尾根がある程度で意外と歩きやすい道だった.展望もなかなかよく,鈴鹿最北端の山並みを間近に見ることができた.花は,アセビがよく咲いていた.シャクナゲの木が多かったので,季節には多くの花が咲くのだろう.

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