駅からあるき by DJ Kei
2007.06.22-24 津軽地方鉄道旅行(その2)

津軽地方鉄道旅行(その2)

2007年06月22-24日

行程

場所種類
6月22日
品川22:00京浜急行バス「ノクターン」
6月23日
五所川原7:40(0:35早)8:15津軽鉄道
津軽中里8:599:12弘南バス
五所川原9:5510:30弘南バス
青森11:3813:01JR
蟹田13:4114:00JR
三厩14:3915:46JR
青森17:1419:33特急「日本海4号」
6月24日
大阪10:23

プランニング

第一目的は,青森-大阪の日本海4号のA個室寝台乗車.これをまず確保した.次に行き先を決める.復路の列車が先に決まり,後で行き先をどこにしようか決めるというのも変な手順だと思うが,こればっかりは私のスタイルだからしょうがない.復路の出発点を青森にしてしまった以上,行き先は少なくても青森周辺をうろつくしかないわけであり,津軽鉄道とJR津軽線,そして青函トンネルと決定.本当は弘南鉄道に乗りたかったが,「日本海4号」を弘前から乗れば間に合いそうだが,せっかくだから始発の青森から乗りたい.ということで弘南鉄道はあきらめた.かわりにJR津軽線(三厩方面)から青函トンネルに入る手段として,津軽二股→津軽今別(両者は別駅だが隣接している)の乗換,そして津軽今別から木古内まで特急乗車(特別ルールにより合法的に特急券を買わずに特急列車に乗れる)という,鉄道ファンならではの要素を組み込むスケジューリングをした.現実には,この最後の青函トンネルへ入る計画は実行しなかった.代わりに青森港で八甲田丸(旧青函連絡船)の資料館を見物した.また大阪から名古屋への帰りには,4月に開業したばかりの奈良-名古屋間高速バスにも乗車してきた.

概要(その2 津軽鉄道,JR津軽線乗車)

その2は,津軽鉄道とJR津軽線の乗車である.さらに八甲田丸の見学レポも.「日本海」に乗車するまでの,現地での滞在記録が中心となっている.

記録

五所川原に早く到着したので,予定より1本早い8:15発に乗ることができた.まず窓口で往復切符を購入.硬券切符が出てきた.一枚の切符サイズに往路・復路の両方がくっついていて,片道乗車した時点で半分もぎるタイプの切符である.このタイプの切符を手にするのは何年ぶりだろうか.以前(といっても相当古くに)名鉄(名古屋鉄道)で体験して以来だと思う.

切符を買った直後に,その窓口の人が改札口(というよりも駅舎からホームへの単なる入口)にやってきたので,今買ったばかりの切符を渡すと,パチンとはさみを入れてくれた.これまた懐かしい.ふつうは,手順を省略するために,窓口で切符を買った時点ではさみを入れるのが多いが,ここではきちんと「流儀」を貫いたやり方である.ただし地元客とそうでない客で対応を分けている可能性はある.切符購入の時に方言が出るはずだから地元客かどうかの区別は簡単につく.ホームに行くと,小型の気動車が発車を待っている.乗客は10人ほどだが,私を除いてすべて地元客っぽい.

金木駅金木駅で,列車の交換.タブレット交換をする.これも今となっては貴重な光景である.しかしよく考えたら,金木で初めてタブレット交換したのだから,五所川原-金木で一閉塞区間なのである.列車の本数からいって,これはかなりぎりぎりの設定ではないだろうか.現地で気づいた時には,少々の驚きを感じた.

金木で対向列車待ちのため数分停車.ここで私を除くすべての客が下車.代わって1名が乗ってきたので,ここからは乗客が私と地元の人1名だけになる.金木から津軽中里間は,駅舎の様子なども,列車から見る限り古さがかなり増してくる.悪く言えばボロさが目立つようになる.

終点の津軽中里は無人駅なので,下車するときに運転士に切符を見せる.半分もぎられて帰ってくると思いきや,「往復切符なんで,そのままどうぞ」と言う.これも私の「鉄ちゃんオーラ」を感じてそうしてくれたのか,普通の客の場合でもそうしているのかは知らない.終点の津軽中里は,スーパーが併設されていて,外からは,駅よりもスーパーの大きな看板が目立つ.

さて,津軽中里からの帰りであるが,往復切符を持っているので当然帰りも列車に乗ることになるはずである.ところが,駅前のバス停を見ると,ちょうど良い時刻に五所川原行のバスがあるのを見つけてしまった.こうなったら,帰りはバスである.ちなみに,五所川原-津軽中里間は,バスの方が本数は少ないが,運賃は安いし,所要時間もそれほど違わない.そして,バスの方が集落の中心を通ることもあり,利用はこちらの方が多そうだ.ほぼ鉄道路線と並行しているので,乗り比べてみるのもよいと思う.

五所川原に到着.バスターミナルに乗り入れることなく,中途半端なところで下ろされた.

五所川原へ戻った後は,青森へ向かう.鉄道なら五能線+奥羽本線であるが,あいにく列車の接続が悪い.ここは弘南バスを利用して青森へ向かう.青森行のバスは1時間に2本出ており,JRのかなう相手ではない.ただ五所川原から青森はそれほど近い距離ではない.集落ごとに置かれたバス停の案内テープが頻繁に流れる,ごく普通のバス路線である.乗客は数名程度で多くはなかったが,時間帯からいってこんなもんだろう.所要時間は約1時間ほどで,ほとんど遅れもなく青森駅前に到着した.

JR津軽線・三厩往復

青森駅で少し時間があるので,コンビニで買ったサンドイッチをほおばる場所を探していると,港の近くに広場があったのでそこで食事をすることに.港の近くであり景観も優れている.

そして,港に係留されている八甲田丸.元青函連絡船である.青函トンネルが開通して,同時に連絡船も廃止になりすでに20年近くが経過したのだ.私は青函連絡船に乗船したことがないので,せめて現在の八甲田丸の姿を見たかった.そして見られてよかったと思う.せっかくだから中にも入ってみたい.現在は資料館として入れるようだから,時間があえば入ろうと思う.

食事後,青森発13:01の蟹田行に乗る.しかしホームに着いて目に入ったのは701系.少々がっかりしながら,ロングシートに腰掛けた.日差しの当たらない方のシートに座り,海を眺めながらの乗車となった.なお,津軽線の列車は,青森発車してから,180度向きを変えるようにして進むので,進行方向のどちら側に座りたいかを決めている人は,そのことを考えながら座席を確保する必要がある.

懐かしい「サボ」

蟹田に到着.ここで,14:00発の三厩行に乗換.この列車は1番線に停車していたが,その後入換作業を行い,3番線から発車するようだ.とりあえず,1番線停車中に,今乗ってきた701系(2番線),そして函館行の「特急スーパー白鳥」が3番線にそろいぶみしたので,パチリと撮影する.

そのあと,3番線にまわり,入換作業を待って三厩行のディーゼルカーに乗り込む.この列車,キハ40の2両編成.窓は開くし,雰囲気はよいし,乗ってみて最高であった.また,大平-津軽二股では,山深いところを通過するが,車窓からはミズバショウの葉っぱが見える.開花しているときにきてみたいなあという思いにさせられた.このときは,シシウドの花盛りで,あちこちで花が咲き乱れていた.

山を越えると,津軽海峡線が寄り添ってきて津軽二股に到着.津軽二股は津軽線の駅で,そのすぐそばに津軽海峡線の津軽今別がある.この列車で三厩まで行った後,復路でこの2駅の乗継ぎを使って青函トンネルを通るスケジューリングをたてていたので,一応乗換がどれぐらいでできそうかを車窓から確認する.スケジュールでは津軽二股16:01着,津軽今別16:07発であり,乗換時間は6分となっているが,6分以内の乗換は十分可能に思えた.

それにしても窓をずっと開けっ放しにしていると,トンネルに入ったときなどは体が凍り付くんじゃないかと思えるぐらいである.それでも,その感触は他では味わえないものであり,他の乗客への迷惑も顧みず,我慢して窓を開け続けていた.すると今度は右手に海が見える.これぞ鉄道旅行の醍醐味ではないか,そう思えてきた.三厩までの乗車時間がなんと短く感じられることか!

終点の三厩に到着.有人駅である.青森からの切符を渡して駅の外に出る.

まず竜飛崎へ向かうバス停を確認.緑の車体のバスが停まっていて,発車を待っている状態であった.乗客は10名ほどいるようであった.私は時間の関係でバスには乗らず,付近を散策することに.

まず海の方へ向かって歩く.波消しブロックのある海岸だが,冬には海が荒れる地域だからこれは仕方がない.海岸にそって歩いてみることに.途中砂浜ではハマヒルガオの姿も見える.群生の規模は小さいがしっかりと花をつけていた.それにしても今日は海が非常に穏やかであり,天気もよく最高の陽気に恵まれたと思う.本当に来て良かったと思う.

いつも山を歩いているので,時には海沿いに歩いてみるのもすがすがしい気分に浸れるのではないか,そんな気がするのだ.もうすこしここにいたかったが,帰りの列車の時刻が迫ってきている.残念ではあるが駅に引き返そう.

駅へ引き返す.

計画では青函トンネル乗車となっていたが,ディーゼルカーの乗車があまりにもすばらしかったので,このままこの列車で青森まで引き返すことにする.復路のこの列車は,蟹田止りではなく,青森まで直通する.もし蟹田止りだったならば,おそらく青函トンネルを選んでいただろう.蟹田-青森間も含めてディーゼルカーで戻りたい,そんな思いが強くなった.帰りも窓を開け放った状態で,これまた他の乗客への迷惑も顧みず,わがままを押し通して終点の青森まで戻った.いや最高でした.

青森まで戻りサボをみると,「青森-蟹田」になっている.

八甲田丸見学

八甲田丸操舵室青森から「日本海4号」で大阪へ向かうのだが,2時間ほどの待ち時間があるので,八甲田丸の見学をすることに.500円の入場料を払い,早速船内へ.みどころはたくさんあった.青森・函館にまつわる種々の展示品や,昔の切符や時刻表の展示もおもしろかったが,やはり当時の船室や操舵室,機関室,貨物室などがそのまま残されている部分があり,それが最も印象に残った.時間的なゆとりはあるはずだったが,意外と見学スペースは広く,閉館の時間を気にしながらの見学となったので,ゆっくりと見て回ることができなかった.機会があればまた十分時間をかけて見学したいと思う.

JNRマークそれにしても,最近では入場者が減っているらしい.ぜひたくさんの人に見学に行ってもらいたいと思う.それだけの価値のあるものだと思うし.JNRマークがあなたを待っています.

JNRマーク船内から港の様子を撮影.

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