駅からあるき by DJ Kei
2008.02.11 東海交通事業・城北線

東海交通事業・城北線

2008年02月11日

行程

場所種類
鶴舞11:28JR
金山11:3111:34JR
枇杷島11:5311:56東海交通事業
勝川12:1212:40名鉄バス
名古屋空港12:57徒歩
味美17:1314:34東海交通事業
枇杷島14:4714:56東海交通事業
小田井15:03

プランニング

城北線だけは本数が少ないため,枇杷島駅と勝川駅のおおよその発車時刻だけを頭に入れて,それ以外については特に情報を持たないまま家を出発した.したがって時刻表も持参せず,手荷物も無しである.ポケットにデジカメと財布と携帯電話を入れたのみで,手ぶらである.なお,勝川からの名鉄バスは,たまたま時間的に合っただけで当初から計画していたわけではない.

概要

今回は,東海交通事業・城北線に乗るのが目的である.城北線は,JR東海道本線・枇杷島とJR中央本線・勝川駅を結ぶ路線で,名古屋市の北辺をなぞるように走っている.もともとは貨物線として国鉄時代に建設がなされたが,財政事情により建設が凍結され,その後旅客線に転換して,何とか開通にごぎつけた路線となっている.そんな経緯もあり貨物線として計画されたため,このあたりの旅客の流れ,つまり名古屋の中心へ向かう線形となっておらず,したがって住宅地の中を走る鉄道線のわりには乗客が少なく,またきわめて目立たない地味な路線となっている.今回このような城北線に乗車することにした.

記録

地下鉄で鶴舞へ.そこからJR中央本線と東海道本線を乗り継いで城北線の始発駅である枇杷島へ向かう.中央本線の列車は3両,東海道本線の列車は2両と,相変わらずJR東海の列車は必要以上に短編成だ.いくらなんでも2両編成はないだろ.金山から枇杷島まではわずか3駅,7.3kmなのだが,名古屋駅で快速に追い抜かれるため長時間停車し,19分かかって枇杷島に到着した.枇杷島駅では3分の接続なので,少し急いで乗換口へ向かう.

枇杷島では,地下道を通って城北線のホームへ.単行(1両)の気動車が発車を待っている.気動車は,JR東海では標準タイプともいえるキハ11.枇杷島を出発後,東海道本線を高々とまたぎ,以降も高架上をのんびりと進む.高架からは雪をかぶった伊吹山や鈴鹿の山並みもよく見える.
この路線,運行はきわめて単調で,特に土曜休日は1編成が枇杷島-勝川間を行ったり来たりするだけの運用で十分足りる.また日中は1時間に1本の運行で,とても名古屋近辺の(しかも多くは名古屋市内を走るのだが)住宅街を走る路線とは思えない.それでいて信じられないことに全線複線である.
旅客の流れは以下の通り.私を含め4名の乗客.次の尾張星の宮で1名下車.小田井で1名乗車.比良で2名下車し1名乗車.味美で1名下車.終点勝川で2名下車.旅客のべ人数はたった6名.休日の昼間とはいえあまりにも少なすぎる.

この路線の最大の魅力は,のんびりとした雰囲気と高架からの車窓のすばらしさである.もっとも,進行方向左側(北側)の座席を選択してしまうと,延々と高速道路(東名阪)の高架を見続けることになるのだが,南側の車窓は,名古屋市中心への市街を一望できる.また川を渡る機会が多いのだが,その堤防沿いには結構桜が植えられていて,シーズンにはきれいだと思う.比良駅近くの洗堰(あらいぜき)の堤防は桜の名所である.

のんびりした雰囲気の中,勝川駅に到着.ワンマン運転なので降車時に運賃を支払うのだが,代わりに,運転士から城北線のフリー切符(土曜・休日の1日限り有効,700円)を購入する.ちなみに,枇杷島-勝川間の片道運賃は430円だから,単純往復だけで元がとれることになる.ちなみに,JRを使って枇杷島-勝川間を利用すると320円である(遠回りなのにJR利用の方が安い!).

2日前の雪も残っている城北線の勝川駅とJRの勝川駅を結ぶ連絡通路もあるが,私はいったん高架を降りて,外を歩くことにする.数分でJR勝川駅前のロータリーに到着.こちらはにぎわっていて,いかにも都市近郊の駅らしい雰囲気である.ロータリーには3つのバス停留所があり,ちょっとのぞいていくことにする.

すると,ちょうど名古屋空港行というバスがあり,発車時刻が12:40となっている.このバス,朝夕は1時間に1本程度あるものの,昼間はこれ1本のみで,しかも発車まであと15分ほどであり接続がよい.こうなると,このバスに無性に乗りたくなってきた.当初の予定を変更してこれに乗る.
名古屋空港行のバスは乗客2名.このバスは一般路線バスとして運行されていて,途中いくつかの停留所に止まるのだが,今回は終点まで途中乗降は無かった.名鉄味美駅(東海交通事業の味美駅からは離れている)に途中立ち寄ったが,ここからの乗客もいなかった.

名古屋空港に到着.メインが中部空港に移ったので,こちらに来るのは何年ぶりか.しかし今回は空港に特に用事はないので,空港ターミナルにも入らず,空港発のバス乗り場へ向かう.あいにく好都合なバスの接続がなかったので,東海交通事業の味美駅まで歩くことにする.空港からバスや車・タクシーを使わず,歩いて移動する人なんてほとんどいないだろう.

空港の外周道路を歩く.空港の西から南へと向かっていく.今は使われない旧国際線ターミナルの近くを通過する.国際線はすべて中部に移ってしまい,旧国際線ターミナルは改装しているのか取り壊しているのか工事中.さらに進むと,空港の南側に「エアフロントオアシス」という小さな公園があり,そこでは南側から空港を見渡すことができる.ただし空港を俯瞰するにはこの公園よりもすぐ近くにある歩道橋に上った方がよい.その公園で少し休憩.休憩後,名鉄小牧線の味美駅へ向かう.空港ターミナルからちょうど1時間の徒歩で味美駅(名鉄)に到着.ちょうど平安通行の列車が出発していった.ここから城北線の味美駅までは少し距離がある.10分ほどかけて歩き,一見しただけではどこにあるかわからず目立たない城北線の味美駅に到着した.到着したのは枇杷島行出発の4分前であった.

東海道本線をまたぐ(右側が東海道本線旅客線と東海道本線上り貨物線.高架へ上る複線線路が城北線.左側高架下は東海道本線下り貨物線で,高架にあるのは東海道新幹線).枇杷島行の車両は,はっきりとは確認していないが,乗客5名ぐらい.今度も高架からの眺めを楽しみながら過ごし,終点枇杷島までやってきた.ここから,今乗ってきた列車でそのまま引き返して,小田井まで乗車することにする.

枇杷島からの折り返し列車は,乗客5名ほどで,多くが尾張星の宮で下車.これ以外の駅は,小田井は名鉄犬山線,地下鉄鶴舞線があり,味美は名鉄小牧線がある.比良は鉄道アクセスはないが,都心へ直通する市営バスが多く走っているので,城北線以外のアクセスに恵まれないのは尾張星の宮だけである.それ以外の人は,よほどの事情が無い限り,城北線の利用機会はほとんど無いに違いない.

城北線が力を入れているのはレンタカー事業とパークアンドライド.しかしどちらにしても,城北線自体の利便性が高くなければ,見向きもされないであろう.城北線の利便性を向上することが不可欠と思われる.現状のままでは,城北線の存在意義が見いだせない.

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