駅からあるき by DJ Kei
2008.02.17 寝台急行銀河

寝台急行銀河

2008年02月17日

行程

2月16日
場所種類
名古屋19:01こだま586号
東京21:5623:00急行「銀河」
2月17日
大阪7:32(遅14分)8:58特急「しなの9号」
名古屋10:59(遅3分)11:12JR
鶴舞11:19

プランニング

廃止前の急行「銀河」への乗車.切符は1ヶ月前に入手.当日の東京までの行程と,大阪からの行程は成り行きである.

概要

寝台急行「銀河」に乗車.これが最後の機会となる.名古屋から東京まで「こだま」利用.そしていよいよ最後の「銀河」乗車.東京駅のホームは大勢の鉄道ファンでにぎわう.乗客も明らかに記念乗車という感じの人が多い.B寝台下段で過ごしたが,向かいの席の人が,乗車前からすでにブラインドを開けて車窓を眺めたりしていた.そしてブラインドを閉め忘れて就寝.そのおかげで,私の寝台から一晩中,窓の外の景色が見られるので,景色を見て一晩を過ごしてしまった.すれ違いの列車や運転停車の様子,そして関ヶ原付近の雪の模様などを眺めた.結局一睡もせず東京から大阪までを乗り通した.想い出に残る乗車となったと思う.大阪から名古屋への帰りは,特急「しなの」を利用.

記録

名古屋→東京(「こだま」利用)

東京までの新幹線自由席特急券を購入.名古屋始発の「こだま588号」に乗る.名古屋から東京へ行くのに(「ぷらっとこだま」などは別にして)「こだま」に乗る人は少ないだろう.でも,旅気分を味わうためには,新幹線の中では「こだま」が最適である.なにより,三河安城,豊橋,浜松...と駅名標を一つ一つ確認しながら,徐々に東京に近づくという感じが湧いてくるのは,「こだま」だけである.1号車は乗客が少なく,名古屋から東京まで全区間,2桁に届かなかった.静岡で人数がさらに減って,3人ほどに.ほとんどの駅で「ひかり」「のぞみ」に抜かれるため数分間ずつ停車していく.終点東京には定刻に到着した.

東京駅でいったん改札口を出て,駅前のコンビニで食料を調達.ついでに長距離バスの乗り場を見る.八重洲口の乗り場からは,JRバスを中心に長距離バスが発着し,八重洲通りの北側(銀座方向への道路)からは,JRバス以外の会社の路線が,南側からはいわゆるツアーバスが数多く発車しており,実際バスが何台も待機して客を待っている.乗り場周辺は多くの人でにぎわっている.これだけの乗客があり夜行需要はあるのだから,鉄道会社側もそれなりの営業努力すれば,夜行寝台列車はここまで落ちぶれることはなかっただろうにと思う.これは夜に東京駅を歩いていると毎回思うことである.JR系の旅行会社で,寝台列車の割引パックを扱ってくれないかなあ.片道寝台列車利用+ホテル泊,寝台列車利用時に使用できる駅弁+飲料の割引券をセットにするという企画.既存の寝台列車を使うパックはすでにあるが,むしろ旅行会社が寝台列車利用の企画商品をつくり,運行をJR(JR旅客+JR貨物も含めて)に委託するという手もある.寝台車両の新造さえ可能なら,十分実現可能だと思う.JR列車と違うのは,時期によって行先や料金の設定が自由にできるという点で,営業上は大きな強みになる.冬から春は九州方面,夏は北海道,秋は東北(紅葉)といった具合に行先を設定するのである.何より旅行会社の集客力に期待できる.列車単独プランだと料金面で不利は否めないから,ホテル宿泊や名物駅弁(あるいは駅弁をオプションとしてつける)とのセット割引を使うのがよい.
類似商品として,東武トラベル(東武鉄道系)の「尾瀬夜行」がある.尾瀬というブランドの強みがあるとはいえ,「尾瀬夜行」は多くの客を集める商品となっている.往復利用も片道利用も可能で,山小屋宿泊プランのセット,朝昼食のオプション販売,日帰り温泉施設の割引,さらには尾瀬夜行利用者専用バスの運行なども併せて行っている.寝台列車を核にしたこのような商品開発をしてくれれば,もう少し集客力を高められないだろうかと思う.話がそれてしまった.「銀河」がやってくる東京駅の10番線に急ぐ.

東京駅にて発車を待つ

「銀河」入線

テールマーク

機関車連結.すごい人だかり

連結完了

この案内が流れるのもあとわずか

行き先表示標はシンプルながら輝かしい

入線時刻の5分ほど前に到着したが,10番線には,すでに多くの鉄道ファンが「銀河」到着を待っている.この時点では純粋な乗客はまだ駅に着いておらず,撮影目的の人たちが多い.そしていよいよ入線.「フラッシュをたかないでください」という案内放送が繰り返し流される.さっそくファン達が機関車付近,テールマーク付近(客車最後尾)および先頭(電源車)付近に集まる.私はそれを横目に見ながら,ホームで弁当を食べる.昨年11月,そして今年1月と「銀河」に乗車したときに結構写真を撮ったので,今回は写真にはそれほど熱意がなかった.とはいえ,最低限の写真は撮っておきたい.弁当を食べた後,適当にタイミングを見計らって撮影をしたりして,発車10分前ぐらいに車内に入った.

寝台急行「銀河」(乗車時)

B寝台通路の様子

私が乗車したときには,すでに私の向かい側に乗客がいた.親子連れで,鉄道好きな子供とその親といったところか.寝台側のブラインドを上げて外を眺めている.特に見送る人がいるわけでも無さそうだし,出発前からこちら側のブラインドを上げている人も珍しい.利用状況であるが,私は7号車の乗車だったが,東京駅出発時点で80%ほどの乗車率.途中駅からの乗車も含めると満席であった.
定刻に「銀河」出発.客車列車特有のオルゴール音の後,「本日は寝台急行銀河号をご利用頂きまして誠にありがとうございます」といういつものアナウンスが流れる.品川駅出発後,車内編成の案内と停車駅・到着時刻の案内が流れる.横浜到着前に「これを持ちまして案内放送をしばらく休ませて頂きます.放送再開は大津到着前6:20頃とします」という放送が流れる.これは1月に乗車したときと同じだ.一時期は,東京出発後すぐに放送休止ということもあったが,廃止前で乗車率が上がったためか,途中駅からの乗客にも配慮して少し遅くまで放送をしているのかもしれない.
向かい側の親子連れは,ずっとブラインドを上げて外を眺めている.私もしばらくは車窓を眺めたいので,東京出発後しばらく寝台と反対側の通路側の腰掛けに座って外を眺めていたが,大船到着を見届けて寝台に入った.そのときには,すでに向かいの親子連れは寝台に収まっていたが,よくみるとブラインドが上がったままになっている.たぶん閉め忘れたのだと思うが,私にとっては,こんなラッキーなことはない.ブラインドが上がっていれば,寝台にいながら外がよく見えるし,寝台側の窓は進行方向右側,つまり対向列車も見えるから,すれ違う列車も観察できてしまうのである.寝台列車から見る外の景色というものは極上のものがあり,普段は,B寝台からこれを眺めることはほとんど不可能に近いが,今回はこれが存分にできるというシチュエーションがそろってしまった.というわけで,寝台には入ったものの,しばらくは外の景色を眺めて過ごすことにする.外は月明かり(ちょうど半月ぐらい)もあり,よく見える.

上にも書いたとおり,ゴトゴトと揺られる感触を味わいながら,深夜の風景を眺めるというのは格別である.東海道線はほとんどの区間で何かしら建物が見えるし,次々となじみのある駅を通過していくので,それを眺めているだけでも飽きない.小田原停車.熱海停車.新幹線の駅には煌々と明りがついている.熱海出発後,長いトンネルに入り,三島,沼津という大きい駅を通過する.昼ならこのあたりで富士山が大きく見えるはずだが,夜はさすがに無理である.吉原を通過し,岳南鉄道の線路が分かれていくのを確認.そして列車はスピードを落として,富士駅に停車.時刻は1:10である.時刻表では通過となっているが,客扱いしない停車(運転停車)をする.高速バスで言えば,開放休憩しないサービスエリアでの停車といったところか.客扱いしないので扉が開かないが,車内から駅名標を写しておく.貨物列車を1本やり過ごしてから出発.停車時間は3分ほどであった.その後,富士川を渡り,トンネルが少々目立つようになる.小さな駅をいくつか通過するが,通過列車から眺める駅名標はいずれもなじみが深い駅名が続く.

静岡停車

清水駅を通過し,草薙駅手前で保線作業をしている区間があり,「銀河」も徐行して通過する.保線作業があってこそ鉄道運行の安全性が維持される.深夜の重労働,本当に感謝せねばなるまい.
静岡鉄道と併行する区間や,東静岡の貨物駅なども見ながら進み,静岡には,定時に到着.ここは客扱いをする停車である.本当はホームに出て撮影をしたいのだが,停車時間はわずかなので,寝台の中から発車列車の案内板を写すだけにする.うまく撮れなかったが,文字ははっきりと写っていたのでよしとしよう.静岡駅でも,何人かがホームに待機していて,写真を撮ったりしていた.この時間まで誠にご苦労様.この人達は,地元の人なのか,駅前に泊っているのか,あるいはこれから「MLながら」などに乗って名古屋あるいは東京方面へ行くのか定かではない.静岡を発車する辺りでも,全く眠気はやってこず,興奮状態が続いていた.このころには,完全徹夜やむなしと心に決めていた.「完全徹夜」ではなく「完全鉄夜」というべきか.
2:02,藤枝付近で上りの「ムーンライトながら」とすれ違う.ほぼ定刻のようだ.島田を過ぎ,大井川を渡る.この辺りから急なカーブが増えてくる.車窓を見ると,列車の前の方がよく見えるから,右へとカーブを切っていることがはっきりとわかる.急カーブのため,列車の速度も抑え気味であるし,よく揺れる.やがて金谷を通過.金谷は,SL列車で有名な大井川鉄道の始発駅であり,大井川鉄道の発着ホームも車窓から確認した.金谷付近の連続カーブを脱出し,再び走りやすくなった線路を快調に進む.掛川駅でも,天竜浜名湖鉄道の線路が分かれていく姿をはっきりと確認.2:37,天竜川のすぐ手前付近で,上りの寝台急行「銀河」とすれ違う.お互いに定時運転が維持されているようである.

2:44〜3:06,浜松に運転停車.この間,上りの貨物列車が頻繁に通過していくが,下りの貨物はあまり来ない.今までは,浜松の運転停車中は,下りの貨物列車にたくさん追い抜かされるイメージがあったが,改めて窓の外をみて確認すると,実際には上りの貨物列車のすれ違いが多いのに気づく.
長い運転停車の後,ゆっくりと発車.浜名湖近辺では,長い橋を何度も渡る.この辺りから名古屋圏ともいえ,ますますなじみのある駅名が続くので,通過駅での駅名標の観察にも力が入る.ホームに特徴のある弁天島の駅の通過をはっきりと確認.3:26,新所原付近で,上りの寝台特急「サンライズ」とすれ違う.ほぼ定刻の運転だろう.
3:33,豊橋を通過.以前は豊橋でも運転停車をしていたはずだが,現在はあっさりと通過していく.この辺りから雪が現れるようになり,岡崎付近からははっきりと積雪として確認できるほどに.昨日夜新幹線で通過したときも豊橋付近は結構雪が降っていたから,それが積もったのかも.列車は名古屋に向かってどんどんと進んでいくが,いつの間にか雪の姿が消えていく.大高付近から新幹線と併行するが,新幹線と分かれてしばらくすると減速し,4:18に運転停車する.熱田駅1番ホームであった.以前「銀河」に乗ったときに,熱田駅で運転停車をしたときは驚いたが,今回は2回目なので驚きはしない.ここでも,貨物列車に追い抜かれる.4:24に出発.

4:31,名古屋6番ホームに運転停車した.昼間は下りの快速列車が頻繁に入る6番ホームだが,今は当然ひっそりとしている.駅が閉まっているのだろうが,写真を撮る人の姿も見えない.でも優等列車は,快速が頻繁に入るような安っぽいホームではなく,やはり4番ホームあたりに入って欲しいと願う.貨物列車を1本やり過ごし,4:35名古屋を出発.しばらく名鉄の線路が併行する.名鉄栄生駅付近では,何編成かの名鉄車両が留置されているのを見る.庄内川や他いくつかの川を渡り,稲沢付近の輻湊する貨物線路を見てから,木曽川を渡り,左にカーブを切り,岐阜に到着.旅客扱いをする停車であり,定刻到着である.ここには,やはり鉄道ファンの姿があり,ホームを走り回っている.短い停車時間の間に撮影をしなければならないので皆必死である.こちらはそれを淡々と眺める.それにしても,上り寝台特急「富士・はやぶさ」とそろそろすれ違うはずなのだが,まだすれ違っていない.見逃したのか,あちらが遅れているのか気がかりである.

大阪へ残りあとわずか

岐阜を出発後,長良川・揖斐川を渡り,樽見鉄道の線が合流ししばらく併行すると,大垣を通過.大垣も大きな駅であるが,通過するときはあっさりとしたものである.大垣では,名古屋方面の列車を待つ人の姿も見られる.もうすでに朝の生活が始まっているのである.こちらは,美濃赤坂方面への線路との分岐を過ぎ,東海道線の別線(俗に言う新垂井経由)を行く.なお,上り列車はすべて本線(垂井経由)を通る.別線と本線は離れているので,もし上り寝台特急「富士・はやぶさ」がこの間にやってきたら,すれ違いシーンを見られないことになる.そんなことを思いながらも,別線を進む列車から外を眺める.別線は単線である.下り列車専用で複線にする必要はないので当然だが,東海道線で単線というのは何か不思議な感じがする.大垣を過ぎた頃から積雪が急に増え,さらに窓の外ではかなりの雪が降っている.進む列車からの眺めなので,雪は横なぐりに降っているようにも見えるが,実際はそれほど吹雪いてはいないのだろう.しかし降雪量は少なくない.列車もスピードを幾分落として進む.ただし,この辺りは東海道線の中では山間部を通るのでカーブも多く,そのためにスピードが上がらないという面もあり,実際のところ雪のために速度を落としているのかどうかはわからない.
柏原や近江長岡といった駅では,ホームに大量の雪が積もっており,乗客が乗り降りする範囲のところだけ除雪がなされている.近江長岡では除雪作業している姿も見られた.朝早くからご苦労さまである.
米原の一つ手前の醒ヶ井駅からは,かなり徐行をして運転.このときは,大雪か強風のためか何かかと思ったが,実際にはたぶんそうではなく,北陸からの夜行列車(たぶん「きたぐに」)との調整のためだと思われる.これは後でわかったことだが,北陸からの列車も1時間近く遅れを生じており,「きたぐに」と「銀河」がほぼ同じ時刻に米原にやってきたのだろうと思う.「きたぐに」を先に行かせるためにこちらを徐行させていたのではないかと推察する.いずれにせよこの徐行により,米原到着は定刻より8分遅れの5:48.出発は5:49であった.
米原を出発すると,すぐに上りの寝台特急「富士・はやぶさ」とすれ違う.1時間30分程度の遅れである.そういえば,大阪駅付近で本来すれ違うはずの上り寝台特急「なは・あかつき」も大阪駅到着まですれ違いが無く,大阪駅でも全く見かけなかったから,相当遅れてきたに違いない.上りの「サンライズ」は定刻にすれ違ったことを考慮すると,岡山以西で踏切事故か何かで遅れが発生したのだろうか.詳細は不明である.
そろそろ外もかなり明るくなってきている.外は雪が相変わらずであるが,これも近江八幡ぐらいまでで,その後は青空も見えるようになってきた.6:20,案内放送を再開.列車は遅れていても予告時刻にきちんと放送を再開する.「関ヶ原付近降雪のため,定刻より5分ほど遅れて運転しています」とのこと.たぶん降雪のためではなく,北陸線列車との運転調整のためだろうが,このときの案内は降雪を理由に挙げていた.
大きな草津駅を過ぎ,県都大津には6:38に到着.その後,先行列車(湖西線から入ってきた停車)に追いついたため信号待ちがあり,京都には15分遅れて6:58到着.降車客も見られる.この後は,快調に進んで,終点大阪には定刻より14分遅れの,7:32到着であった.大阪駅到着直前には「本日は寝台急行銀河号をご利用頂き誠にありがとうございました.またのご利用をお待ちしております」とのアナウンスが.乗客のほとんどは,”またのご利用”はもう無いとわかっているだろうが,この放送には何となくむなしさを感じる.

大阪駅到着後

雪をかぶる

雪をかぶる

日本海2号

日本海2号(最後尾電源車)

かにかにはまかぜ(臨時特急)

大阪駅には4番線に到着.遅れていることもあり,すぐに車庫に引き上げるだろう.一通りの写真を撮るために,急いでホームを前後に走る.大阪駅で待ちかまえていた鉄道ファンも気持ちは同じようで,ホームはあわただしく駆け回る人の姿が.ホームには団体客も多くて結構混雑していたので,我々の行動は迷惑だったに違いない.こちらはなるべく迷惑をかけないようにしているつもりだが.
「銀河」は,先頭と最後尾に雪をかぶっていた.野球でヘッドスライディングしたときにユニホームについた泥を連想させ,何となくカッコイイ姿であった.さてこれで「銀河」の乗車は終了したが,ホームの案内を見ると,北陸線の列車が遅れ「日本海2号」が見られそうである.定刻ならば「日本海2号」は「銀河」より先に大阪駅に到着し,「銀河」が到着する頃,車庫に引き上げていくので,なかなかお目にかかることがないのだが,今回はチャンスであるから,しばらく待つことにする.「日本海2号」は,「銀河」以上に雪をかぶっていて,”苦労してやっとたどり着きました”という感じが強くしてくる.
最終的には,この4番ホームに待機している間にやってきた列車は,「スーパーはくと1号」,「団体専用列車」(2回),「日本海2号」,「かにかにはまかぜ」である.団体専用列車は2回とも,「きたぐに」に使用される583系10両編成であった.岡山県の倉敷近辺に拠点のある有名な新興宗教団体の利用であった.たぶんそこまで行くのだろうが,10両2編成を借り切ってとはさすが大規模宗教団体である.

特急「しなの」で名古屋へ

大阪駅にて

雪景色

雪景色

雪景色

貨物線の輻湊

名古屋駅にて

種々の列車を観察後,いったん大阪駅を出て,まずは高速バス乗り場へ.しかし次の名古屋行は1時間以上も後の発車で,しかも満席である.そこで,特急「しなの」を使って名古屋へ戻ることにする.京都までの乗車券540円だけを購入して,駅に入る.自由席が混雑しているようなら,「しなの」乗車はやめて普通列車で帰ろうという魂胆である.大阪発長野行「しなの9号」は,この日は10両編成での運転で,自由席は2両.10番線からの発車である.大阪から名古屋へ向かう列車の中で,所要時間1時間58分は,新幹線を除くと最速である.
自由席は混雑しておらず,楽に席を確保.車内で乗車券の乗越と特急券の精算をすませる.京都到着前には「この列車は北陸方面への特急ではありません」とのアナウンスが.乗り間違える人が多いのだろう.
滋賀県に入ると,左手に雪をかぶった比良山系がよく見える.近江八幡付近から雪景色となり,雪が降っている.数時間前に「銀河」車内から,薄明かりのなかで見た光景と同じであるが,猛スピードの特急から眺めるのとはまた少し違った光景に映る.米原には少し遅れて到着.米原からはさらに積雪のあるところを進み,雪を蹴散らしながら進むので,飛び散った雪が窓に付き,外が見えにくくなる.それも関ヶ原を過ぎると雪が少なくなりはじめ,大垣付近で雪はほぼ消える.この辺りからは再び空が明るく輝き始める.がらりと車窓が変化するところが,冬の列車旅の醍醐味ではある.大垣付近からは鈴鹿・養老方面の山々を眺める.こちらも雪をかぶっている.岐阜を過ぎ,枇杷島駅通過時には,1週間前に乗ったばかりの,東海交通事業の単行列車の待機を確認する.名古屋には定刻より3分遅れの10:59に到着した.
この後,中央本線で鶴舞まで行き,地下鉄で帰宅した.

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