駅からあるき by DJ Kei
2009.01.24-25 三重交通・同名バス停巡回記(その1)

三重交通・同名バス停巡回記(その1)

2009年1月24-25日

行程

1月23日
場所種類
名古屋20:15近鉄・特急
21:05
1月24日
場所種類
6:40三重交通
西山(津)7:067:47三重交通
椋本7:538:00三重交通
亀山駅前8:208:37三重交通
平田町駅9:119:25三重交通
西山(鈴鹿)9:389:56三重交通
平田町駅10:0910:30三重交通
近鉄四日市11:0712:00三重交通
桜台12:2512:51三重交通
名古屋13:4414:25三重交通
上野産業会館15:5716:10三重交通
西山(伊賀)16:30(徒歩)
伊賀上野17:51伊賀鉄道
上野市17:5818:08伊賀鉄道
伊賀神戸18:3618:50近鉄・特急
伊勢中川19:1219:16近鉄・特急
19:25

プランニング

1日目は,三重交通の同名バス停のうち,「西山」バス停3箇所をまわることにする.3箇所は,津,鈴鹿,伊賀の3箇所である.この3箇所を三重交通バスのみで乗り継ぐためには,ルートはかなり限られる.津の「西山」と鈴鹿の「西山」を結ぶためには,今回のような亀山駅経由のルートしかない.伊賀の「西山」へ向かうためには,高速バスの利用しかなく,都市間高速バスでいったん名古屋へ出て,そこから伊賀上野へ向かうルートしか選択肢がない.いずれにせよ,ルートは確定し,あとは起点の出発時刻の選択となる.朝早くに出るに越したことはないが,乗り換え時間が長すぎず短すぎずとなるようにする必要もある.机上のプランニングでは,椋本の7分,四日市の8分,名古屋の11分乗継ぎという余裕のなさが気にはなったが,とにかく完成.危険性としては,名古屋,四日市,椋本の順で危ないと感じていたが,名古屋と四日市は1本後のバスになったとしても大した問題が発生しないことをダイヤで確認.椋本での乗り継ぎ失敗は致命傷になりかねないが,たぶん大丈夫だろうと楽観的に考えていた.ところが....

乗車ルール

今回のバス旅にあたり,乗車ルールを以下の通り決めた.
三重交通のバスのみ利用する.共同運行路線の場合でも,三重交通担当便のみ利用可能とする.
バスカード利用可能路線のみとする.バス運賃の支払いはすべてバスカードで行う.
バスの乗り継ぎは,連続性を有しなければならない.つまり,徒歩連絡や名称の異なるバス停間の乗り継ぎはできない.駅の東口と西口などでバス停名が異なるときは(例えば津),乗り継ぎできないが,同一のバス停名の場合(例えば近鉄四日市)は乗り継ぎできるとする.
高速バスは利用可能とする(ただし,上の条件を満たす路線に限る).

概要(その1「西山」編)

今回は,同名バス停を巡回するというバス旅に挑戦した.全国に同じような地名は無数にあり,当然ながら同名バス停の組み合わせは無数あると思われるが,その中でも今回は,同一会社の中で同名バス停があるところをターゲットにした.対象としたのは三重交通で,同名バス停のうち「西山」バス停と「東山」バス停を選定した.それぞれ,3箇所の同名バス停が存在し,そのすべてをまわるわけである.ただまわるだけではおもしろくないので,三重交通以外の乗り物の利用を禁止し,三重交通のバスだけを使ってまわることにした.さらに,途中の徒歩連絡を禁止し,バスの乗り継ぎは連続でなければならないとした.そのため,大回りをしたり,直接関係のない路線に乗ったりして,しかもそれが運転本数の少ない路線だったりして,大いに悩まされたのだが,それだけプランニングの段階から「ああでもないこうでもない」と楽しませてもらった.実際のバス乗車も,バス遅延による計画変更ハプニングもあったりして,ハラハラしながらも楽しい旅となった.

三重交通の同名バス停

まず今回,数あるバス会社の中で三重交通を選定した理由は,
1番目に,私にとって一番なじみ深いバス会社.登山利用でよく利用するし,今回の乗車で,登山利用に適したバス路線を見いだしたり,車窓から山がよく見える区間を探す目的もあった.
2番目に同名バス停を探すのが容易.三重交通の公式ホームページでは,路線バスの運賃・時刻検索ができるが,バス停の頭文字を入力すると,五十音順にバス停が表示させることができる機能がある.本来はバス停入力を容易にするための機能だが,私は今回同名バス停の組み合わせを発見するためにこの機能を利用した.
3番目に,居住地の名古屋から近すぎず遠すぎず,そのため,遠出をすることなく適度な旅気分を味わうことができる.
4番目には,すべての時刻がサイトから検索でき,プランニングが容易なことである.
ちなみに,三重交通のサイトで調べた結果,中には「市役所前」や「住宅前」などのありふれた施設名にちなんだものもあるが,多くは地名からとられた同名バス停が数多く存在することがわかった.同名バス停が4箇所に存在するというのが最多で「センター前」というバス停,3箇所に存在するのが「市場」「大久保」「柏野」「三本松」「市役所前」「住宅前」「新出」「富永」「中町」「西山」「東山」の11組,2箇所に存在するのははっきり数えていないが,70〜80ぐらいある.(なお,三重交通には「フリー○○」などのように,先頭にフリーとつけられたバス停があり,そのフリーの有無を考慮しないとすると,もっと同名バス停は増える.)とりあえず,3箇所のバス停の中から,その地理的配置や難易度などを考えて,「西山」と「東山」の2組をターゲットにしたのだった.なお,漢字の表記が同じであっても,読み方が異なるという可能性があるが,これについては上記の組み合わせすべては確認していないが,少なくても今回の「西山」と「東山」については,それぞれ3箇所のバス停すべてが同じ発音「にしやま」「ひがしやま」である.
今回の「西山」と「東山」,まずこの名前の組み合わせ(対照)が気に入った.次に,西山と東山バス停のうち2箇所ずつは,同じバス路線上(椋本線,白子平田線)に存在するというのもユニークである.最初は,この6箇所のバス停を1日でまわれないかと思案したが,プランニングを工夫してもそれは無理であった.そこで,2日に分けて実施し,1日目は「西山」,2日目は「東山」バス停をまわることにした.なお,
西山バス停の所在地は,津,鈴鹿,伊賀
東山バス停の所在地は,津,鈴鹿,香良洲
である.

記録

名古屋→津駅前→西山(津)

1日目は早朝からの行動となるため,前日に津まで移動し宿泊.名古屋-津は,前夜に近鉄特急で移動.

津で泊まったホテルで,TVの天気予報を見る.それによると,この冬一番の寒気の到来を告げ,平野部でも雪が舞うなどの荒れ模様の予報.こうなるとバスの遅延なども気がかりであり,特に1日目は高速バスを利用するためなおさらだ.1日目と2日目の行動を入れ換えようかとも考える.だが,結局予定通りにすることにした.

朝の津駅の様子.この駅前から本日一番のバスに乗る.

津駅前バス停4番のりば.椋本行が発車する.

椋本行がやってきた.このバスで西山(津)まで向かう.これは椋本へ向かう朝一番のバスで,米津始発.津駅前には客を乗せてやってきたが,それらの客は津駅前で全員下車.津駅前からの客は私1名で,貸し切り状態で出発.最初は,国道23号線を北へ進む.その途中,東京から鳥羽へ向かう高速バス(三重交通)とすれ違った.国道を離れる頃,途中乗車があり,貸し切り状態解消.国道23号線を離れてからは,バスは西へ向かって進んで行く.

夜が明けてきて,バスの進む先には,布引の東端となる山並みが見えている.途中で,明日訪問予定の「東山」バス停を通過.

西山(津)

津駅から25分ほどで西山バス停に到着し,下車する.

西山バス停周辺は,田園と住宅が広がる典型的な郊外の風景が広がるが,経ヶ峰方面や錫杖ヶ岳方面の尾根が見えたりして,1週間前に経ヶ峰に登ったばかりなので親しみを感じる.

しかし,山にはガスがかかり上空もどんよりとした曇り空.本当に雪が降りそうな天気である.幸い近くにコンビニがあったので,20分ぐらい立読みをして寒さをしのぐ.

椋本から折り返し便が通過していく.

西山(津)→椋本→亀山駅前→平田町駅→西山(鈴鹿)

次に向かうのは,鈴鹿にある「西山」バス停.距離的にはそれほどないのだが,三重交通バスだけで行くとなると,バスを何本も乗継いで行かなければならず,しかも少々回り道である.まず,椋本行のバスを待つ.最初にも書いたように,このバスさえ遅れなければ,何とかなる.ところが,このバス,定刻を過ぎてもやってこず,かなり焦る.数分の遅れが何と長く感じられることか.結局,5分ほど遅れてやってきたバスは,高校生で満員.椋本には高校はないので通学生ではなく,どうやら椋本で大会かなにかがあるらしい.当然座席には座れずだが,椋本まではすぐだからたいしたことはない.それよりも遅れが気になる.これ以上遅れるようだと,亀山行のバスに間に合わないかも知れない.乗り継ぎに失敗すると,次のバスは2時間以上後である.

バスは椋本の集落を縫う狭隘道を苦労しながら進み,椋本のバス停には7:58に到着した.バス到着前に,料金箱の近くに進んでおき,一番に下車する.何とか間に合ったかとほっとする.しかし,当然すでに発車待ちをしていると思われた亀山行のバスも,まだ到着していなかった.しばらくして,亀山から学生を数多く乗せてやってきたバスが椋本に到着した.このバスが折り返し亀山駅前行となる.全く乗り継ぎは問題なかった.とりあえず,乗継ぎに関する最大の懸案はこれで解消.あとは,よほどのトラブル(大雪で高速道が通行止めとか,事故渋滞とか)がない限りは大丈夫だ.

亀山行のバスも,学生を10名ほどと一般客数名を乗せて,約5分遅れで出発.学生は通学生のようで,鹿島橋で下車したから亀山高校の生徒か.椋本から亀山までは,低い丘陵地帯を越えるせいか,少し山間いを走る区間が多い.ところどころに集落があり,バス停が設置されていて,途中乗車の客もちらほらといったところ.バスは,亀山駅を前に,右折して,大回りするように亀山市街に入っていく.バスを亀山の中心へ通すのと,通学生(亀山高校)への配慮のためだろうか.紀勢本線,鈴鹿川,関西本線を順に越えると,国道1号線に出て,亀山中心市街地に入る.ここでの下車も多く,大回りルートをとっている理由もうなずけるというもの.わずかな乗客を残したバスは,終点亀山へ到着した.亀山駅あたりでは,雪が風に舞いながら結構ふってきた.

ところで,この亀山と椋本を結ぶ路線も,先行きが心配される路線で,最近亀山市によって,この路線に沿う形でコミュニティバスが運行を始めている.コミュニティバスの運行に目処が付けば,この路線は廃止になる可能性が高い.実際,亀山市を走る三重交通路線のうち,伊勢坂下へのバスは廃止され,最近並行してコミュニティバスが開設された長沢へのバス路線が2009年3月末で廃止となる.しかし椋本から通学する高校生達の足はどのように確保するのだろうか.椋本は津市(旧芸濃町)にあるので,亀山市のコミュニティバスが椋本まで延長される可能性は低い.バスで津まで出て亀山までJRというのは時間がかかりすぎるだろう.そして,これはどうでもよいことだが,私のように,三重交通の路線バスを乗り継ぐという楽しみも失われる.この路線が無くなると,津から亀山・鈴鹿・四日市方面へ乗り継ぎ可能な唯一の三重交通路線が失われるのである.この亀山-椋本の路線は大変貴重なのである.

亀山駅前.いつも数多くのバスが待機している.

亀山駅前の三重交通バス停.目の前に待合室もある.

今度は,亀山から平田町へ向かう.亀山から平田町へ向かうバスは2路線あり,国府経由とみずほ台経由がある.国府経由が1時間に1本,みずほ台経由が2時間に1本程度の本数である.今回は,接続の関係で,国府経由のバスを利用する.5名ほどを乗せて出発.「亀山大市」のためとかで,この日は迂回運転となっていた.迂回区間では,臨時と書かれたバス停が置かれていた.バスは鈴鹿川を越えてから狭隘道へ進み,時々対向車とのすれ違いに苦労しながら進んで行く.庄野あたりからは,工場群エリアに入るためか幅広の道となる.大規模商業施設であるベルシティで,乗客の大半(といっても数名だが)が下車し,残った僅かな客を乗せて終点平田町には定刻よりわずかな遅れで到着した.平田町あたりでは雪はやんでいた

平田町駅のバス停.いろいろなバス停が並ぶ.

平田町駅1番のりば.ここから白子駅行などが出る.平田町は,各方面へ向かうバスが集結する運行上の拠点ともなっている.ここから出るバスは,白子,四日市,亀山,そして郊外へ向かう加佐登,椿方面Cバスなどがある.レース場で有名な鈴鹿サーキットまでは2km強ほどで,若い人なら徒歩圏内であろう.今度乗るバスは,白子駅へ向かう路線で,その途中に鈴鹿市の「西山」バス停がある.

平田町駅で見かけたCバス(鈴鹿市西部地域コミュニティバス).本数も利用者も多くて,コミュニティバスの中では活気がある.

平田町から白子駅行のバスに乗車.乗客は数名で,ベルシティで下車する人と乗車する人がいた.その後も,少しずつ乗客を拾いながら進んで行く.明日訪問予定の「東山」バス停を通過.その2つ先が「西山」バス停である.ここは,西山の西に「東山」が,東山の東に「西山」が存在する.

西山(鈴鹿)

西山(鈴鹿)に到着.これは到着した白子駅行方面のバス停.

道路を挟んで反対側の,平田町行方面のバス停.念のためこの後のバスの時刻を確認してから,バス停近くのコンビニへ.ここでこの日の昼食となるおにぎりを調達.このままいけば,あまり食事をするゆとりは無さそうなので,高速バス車内あたりが食事場所となるだろうかと考える.西山(鈴鹿)バス停周辺は,小工場と住宅が混在していているが,大都市にあるような雑然とした雰囲気はない.折り返しまで10分ほどなので,周囲を眺めるゆとりはなく,平田町へ折り返すためにバスを待つ.

西山(鈴鹿)→平田町→近鉄四日市→桜台→名古屋→上野産業会館→西山(伊賀)

平田町駅行のバスは,3分ほど遅れてやってきた.平田町へ戻るバスは,10名弱を乗せてやってきたが,ほとんどの乗客がベルシティで下車.バス利用者だけでも,ベルシティはすごい集客能力だとあらためて感心する.

近鉄四日市行は,平田町駅2番のりばから出発.

平田町駅から,今度は四日市へ向かうバスに乗車する.平田町から近鉄四日市へ向かうバスは,日中は2時間に1本の運転.私とあと1名が乗車して出発.

バスは平田町から北へ進み,鈴鹿川をわたって国道1号線に入る.この後,内部駅近くと終点付近の僅かな区間を除き国道1号線を進んで行く.バスは,1号線に設置されたバス停で少しずつ乗客を拾いながら進んで行く.バスの本数の割には,なかなか盛況である.

追分駅近くで,近鉄内部線を渡る.この後,四日市市街に近づくにつれ少しずつ車の流れが悪くなってきた.遅れが心配な状況になってきた.近鉄四日市での乗継ぎ時間は8分しかなく,しかも降車が駅南口,乗車は駅西口だから,少し距離がある.市街地だから信号も多く,停止するたびにいらいらする.最後の最後まで間に合うかどうかぎりぎりの状況だったが,最後の信号にあと少しのところでひっかかってしまった.結局この信号ストップが響き,近鉄四日市に到着したのは11時15分で,今度乗るはずだった桜花台行バスの出発時刻が11:15だから乗り継ぎ失敗である.念のため西口バス乗り場まで走ったが,バスがロータリーから出て行くところが見えたから,あきらめた.四日市市内でも雪が舞っている.

予定のバスに乗れなかったので,予定の組み替えをする.当初は,同じ桜花台行の11:45発のバスに乗って,そこから名古屋までの高速バスに乗り継ぐつもりだったが,バスの時刻表を見ると,12時00分発の桜台行というのがある.桜台は,今後乗り継ぐ名古屋行高速バスの起点であり,また桜花台は一度行ったことがあるが桜台は行ったことがない.そのため,桜花台で乗り継ぐよりも桜台で乗り継ぐ方がよいと思い,結局12時00分発の桜台行を利用することにし,その後予定より1本ずつ後のバスを乗り継いで,最終目的地である伊賀の西山バス停には,予定より1時間ほど遅くに到着するプランに組み替えを行った.今度の桜台行は駅西口にある3番のりばから出発である.


近鉄四日市から桜台へは,日中は2時間に1本の運転で,桜花台行は1時間に2本の運転だから,桜台行の方が希少価値がある.バスは客5名で出発.

四日市市街から近鉄湯の山線の北側へまわり,三滝川を右に見ながらバスは走っていく.

そして,踏切で近鉄湯の山線を越える.

東名阪道をくぐり,桜台の住宅街へ入っていく.最後に,もう一度東名阪道をまたいで桜台の住宅群の南端に位置する桜台のバス停に到着した.終点まで乗車したのは,私とあと1名のみ.周辺は,いかにも丘陵地の新興住宅街という雰囲気であり,ところどころに雑木林が残されている.

桜台では30分弱時間があるので,周辺の散策をする.このすぐ南側に高台があるので,そこへ上ってみる.ここからは,鈴鹿山域の山並みが見えるが,大半はガスに覆われてよく見えない.また雪が降ってきた.

ここから,高速バスを2本乗り継いで,伊賀上野へ向かう.といってもいったんここから名古屋へ出て,そこから伊賀上野まで向かうのだから,大回りだ.まずは,桜台発12:51の都市間高速バスを使って,名古屋へ向かう.四日市でのバス乗り継ぎ失敗が無ければ,桜花台から1本前のバス(桜花台11:57発)に乗るはずだったから,この時点で1時間の遅れである.桜台から乗ったのは私1名のみだが,途中乗車が数名あった.

四日市インターから東名阪に入る.高速道路は順調で雪の影響もなく快調に進む.むしろ雪のおかげで普段より車の通行が少なく流れをスムーズにしているのではないかとさえ思えてくる.車窓はあいかわらずどんよりとした曇り空で,鈴鹿山域や養老山域の山並みもガスに隠されている.ガスは平野部にまで流れ込んでいるから,山だけでなくその手前でさえはっきり見えないような状況である.

木曽三川を越えて愛知県に入ってもそれは変わらず,高速道を下りて名古屋市内に突入しても路面が濡れていて明らかに雪が降った跡がみられるような状況だったから,今日はやはり相当寒いのだろう.名古屋駅に近づくと,左側に名古屋の運転区と笹島の操車場跡が現れ,列車好きにはこたえられない光景が続く.その後は名古屋中心部のビル群が広がったと思うと,バスは高速道路を下りて一般道路へ,結局,名古屋にはほぼ定刻に到着した.

名鉄バスセンター.

名古屋から今度は,再び東名阪を逆に走行し,今度は上野産業会館方面の高速バスに乗車する.上野産業会館は,伊賀市の中心であり,伊賀鉄道の上野市駅前にあるバス停である.伊賀市の中心駅が上野市というのも変だが,自治体合併によって市の名称が変わったためである.

バス乗り場にはバスを待つ人の列ができる

今度の伊賀上野方面へのバスは,名古屋が14:25発だが,乗客が20名ほどで,なかなか多い.ちなみに,四日市でのバス乗り継ぎが順調であったならば,12:55発に乗るつもりだったから,1時間30分の遅れだが許容範囲である.

バスは,先ほどたどったばかりの名古屋都市高速,そして東名阪道を逆方向に進んで行く.養老山域・鈴鹿山域はあいかわらずガスの中だが,先ほどよりは少しだけガスが薄くなったような気がする.

四日市インターを過ぎてからは,本日初めての走行区間となる.そして鈴鹿の山並みも南進するにつれ,少しずつはっきりと見えるようになってきた.東名阪を下り,名阪国道に入ってすぐ,関バスセンターに到着.ここでの下車客も結構いた.名阪国道も快調に進む.次の御代インターでの下車客は半数近くであった.残った客は名古屋からの客の3割ほどで,そのほとんどが上野産業会館までの乗車である.伊賀市内の走りも快調であった.

車窓右側には,市の北側にあるはっきりとした山並みが見える.

上野産業会館到着は定刻か,少し早着だったかもしれない.

ここからは,いよいよ本日最後のバスである.上野産業会館から西山行のバスに乗る.

ここからは,いよいよ本日最後のバスである.上野産業会館から西山行のバスに乗る.このバスは,10分近く前にバス乗り場にやってきた.客を乗せてしばらく滞在し,定刻に出発.

乗客は5名ほど.市内を西へ進み,近鉄伊賀線をわたる.

その後北へと向きを変える.途中には狭隘区間も多く,この路線単独でも楽しいバス乗りになるに違いない.

関西本線を踏切で越えると,上り坂にさしかかり,バスはゆったりと上っていく.途中,何度か車やトラックとすれ違うが,すれ違いに苦労する.やがて規模の大きな集落が現れ,2つほどバス停を過ぎると終点の西山(伊賀)に到着した.終点まで乗ったのは,私とあと一人であった.

西山(伊賀)

乗ってきたバスは,折り返し上野産業会館行となる.

西山(伊賀)は,山間に開かれた古くからの集落と行った感じである.集落の規模は結構大きく,1〜2時間に1本というバスの本数は適切であると思われた.ただし,定常的にバス利用している人は少ないだろう.また,商店の類はなく,自動販売機が数台あるのみである.ここまで乗ってきたバスはすぐに折り返し,伊賀市中心へと向かう.私はバスを見送り,ここから歩いて伊賀上野駅まで向かうことにしている.

西山(伊賀)→伊賀上野

地図で見ると,5kmほどだから大した距離ではないが,また雪が降ってきた.かなりの降りである.その中を歩いていく.基本的に下り坂だから,スピードはかせげる.

こんな幅の狭い道路をバスは走る.

途中通過したバス停を一つ一つ立ち寄り,確認する.

西高倉バス停.ここまでで徒歩約30分.普段なら,30分も歩けば汗ばんでくるのだが,この日はそれが全くなかった.やはり相当寒いのだろう.ここからバス道を離れ,関西本線に沿った道を歩く.

途中,伊賀鉄道を越える踏切があり,そのすぐ近くに新居駅がある.駅の時刻表を見ると,列車が間もなくやってくるようなので,その通過を見届けることにする.

踏切近くの新居駅停車を見届けてから,再度歩き出し,空もかなり暗くなった頃に伊賀上野駅に到着した.

伊賀上野→伊賀神戸→津

伊賀上野駅で,上野市行に乗車.年配の乗務員が,車内に切符を売りに来た.伊賀上野でJRから乗り継ぎをする人の便宜のためだろう.

上野市で,伊賀神戸行に乗換.

伊賀神戸行(上野市にて).

伊賀神戸から,特急で中川へ.

中川で名古屋行の特急に乗換えて,津へ.明日のバス乗りに備える.

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